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「友梨香さん、先生になればいいのに」
「えー？ほんとに？」
「うん。俺、友梨香さんに勉強教えてもらって成績も上がったし、友梨香さん優しくて美人だから向いてるよ」
「亮平くんてば、褒めても何も出ないからねー？」
「そんなんじゃないってば。ほんとにそう思うから言ってるの！」
「...ありがとう。亮平くんは人を褒めるのが上手だね」
そしてその3年後、友梨香さんは本当に教師になった。
大学の卒業に向けてしばらく忙しいと聞いていたから会えてなかったのに、急にそれを報告しに来たときはびっくりした。
「ええっ？！友梨香さん、ほんとに先生になったの？！」
「そうだよ。亮平くんが言ってくれたことが、私の夢になったの」
「...ほんとに？ほんとに無理とかしてない？」
「してないって！亮平くんなら分かるでしょ、私が今めちゃくちゃ嬉しいと思ってるの」
「......うん。友梨香さん、おめでとう」
「あはは、ありがとう！」
要領が良くて器用で優しい友梨香さんが学校の先生だなんて。教えてもらう人たちが羨ましい。
そう思いつつ、友梨香さんの夢をこれからも応援したいし、頑張ってる友梨香さんを近くで見ていたい。
それは俺だけじゃなくて、友梨香さんの周りの人たちはみんなそう思っていた。それだけ信頼や人望があって周りから慕われていて、素敵な人だった。
だから、友梨香さんと会う時間も連絡を取る時間もなくなっていった間に何が起こっていたか、誰も気づけなかったんだ。
「.........自、殺？」
「...過労だって」
俺が大学2年生の時の夏、友梨香さんはこの世を去った。
勤務先の学校で学年団の他の先生から雑用や仕事を押し付けられ、保護者とのやり取りも負担を強めた結果起きた出来事だった。
当時の風潮では訴えられるようなレベルでもなくて、ただ俺は友梨香さんを失った悲しみに耐えるしかなかった。
お葬式で見た友梨香さんは、あの綺麗だった髪は雑に短く切られていて、整えていた爪も荒れていたしやせ細っていて。
楽しく勉強を教えてもらっていた頃に比べて、なにもかもが別人のようになってしまっていた。
俺が、先生になればいいのになんて言ったからだ。
その自責の念とも言いきれないような後悔の気持ちは、誰に何を言われても変わることはなかった。
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灯莉(プロフ) - Mikannuuuuさん» Mikannuuuuさん、コメントありがとうございます！他の作品も読んでくださったんですね。いいところに気づいてくれました……( ＾ω＾ )ぜひお楽しみにしていただければ幸いです。 (4月23日 8時) (
レス) id: 63f20e3e12 (このIDを非表示/違反報告)
Mikannuuuu(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございます！一気読みしたのですが尊すぎて読むのが楽しかったです。他の話の伏線かな？と思うところもあって他のお話も楽しみです！ (4月23日 8時) (レス) id: 79eedeb4c2 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - 愛結さん» 愛結さん、嬉しいコメントをくださったのにこんなレスで申し訳ないのですが、おかげさまで編集のミスに気づけてラスト2話を公開することができました...！ありがとうございます。本当に感謝しかありません。こんなレスでほんとにすみません😱 (4月22日 23時) (レス) @page45 id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - 主人公がどうなったのか気になりすぎて続編が欲しすぎます🥲🥲面白い作品作っていただいてありがとうございます！！ (4月22日 23時) (レス) id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
灯莉(プロフ) - ぴのさん» ぴのさん、素敵なコメントありがとうございます( ；∀；)ふたりの行く先を見守っていただけたら幸いです。 (4月20日 20時) (レス) id: 0a43491d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯莉 | 作成日時：2024年3月22日 23時
