マーガレットを君に１

＃１２ ページ12

佐「っしゃー！昼だぁー！行こうぜ〜」


『あ、ごめ、今日、パスで…』


佐「え、なんで？」


『えと、』




渡「俺と食うの」



な？と前のデスクから覗き込まれる



佐「え？」



佐久間が渡辺さんと私を交互にみる


恥ずかしくなるからやめてよ、、



渡「ってことでお前らだけで行ってこい」


阿「…お先でーす」


佐「え、あ、阿部ちゃん、まって」



阿部くんを追いかけるように出ていった佐久間を見届ける



渡「んじゃ、俺らも行くかぁ」


『あ、はい！』



前を歩く渡辺さんのあとをついていく


てっきり社食に行くものだと思っていたのにスタスタと会社から出ていってしまう



『え、渡辺さん、どこ行くんですか？』


渡「まぁ付いてこい」




入ったのはこじんまりとしたお蕎麦屋さん



渡「ここの天ざる最高にうめぇの」



慣れた手つきでセルフのお水を注いでくれる渡辺さん




他にもメニューはあるのに有無を言わさず注文されたけど、嫌な気はしない






目の前に運ばれてきたきたものを見てると早く食えと言わんばかりの視線を感じるからお先に頂く



『ん！！！』


渡「どうよ」


『めっっちゃ美味しいです！』


渡「ふっ、だろ？」



うまぁ、、幸せすぎる、、





渡「石原ってすげぇ美味そうに食うよな」


『え、』


渡「そういうとこ、良いと思う」


え、え？、良いと思う、？


渡「なんだよその顔 笑」



いや、渡辺さんだもん、深い意味はないはず、



『、なんでもないです！』






渡「うまっ」



いただきます、と手を合わせてひと口食べた渡辺さんは目を見開いてまるで初見のように感動している



このときの顔も好き、、











オフィスに戻ると佐久間もちょうど戻ってきた



佐「A、どこ行ってたの」


『お蕎麦屋さんに連れていってもらってた！会社の近くにあんな美味しいとこあるの知らなかったよ』


佐「楽しかった？」



ん？美味しかった？じゃなくて？



『え？あ、うん、楽しかった、よ？』


佐「そ、よかったな」




『あ、佐久間も食べたかったんだ？』


佐「え？」


『ずりぃ〜って顔してるもん』


佐久間の顔を真似してみると頬をつままれる


佐「んな顔してねぇわ！」


『してたよ！てか痛い〜離して』


佐「うはっ、変な顔」


『佐久間が引っ張るからじゃん！』



少しの間があいてお互い笑ってしまう



佐久間といると唯一無二の空気感になる



それがまた居心地いいんだよね

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