マーガレットを君に１

＃１３(S) ページ13

S side

珍しくAがミスをした日


俺も手伝おうと思ったけど渡辺さんが残るとのことでオフィスを出た



家に帰って楽しみにしてたアニメを観てるけどやっぱ気になる


飲み物とおにぎりを買ってまた会社に戻ってきた



まだ電気付いてるじゃん


お腹すいてヘタってるAを想像してニヤけてしまう




オフィスの入り口から中を覗くと今まさに終わった様子で渡辺さんが伸びをしていた





渡「腹減ったし飯いくか」



戸惑いながらも嬉しそうなAの顔が見えて、逃げるようにその場から立ち去った





エレベーターに乗り込み右手からぶら下がっている袋を見つめる


こんなん、いらねぇじゃん…


何やってんだろ、俺





モヤモヤを抱えたまま自宅に戻り、途中だったアニメを再生した










昼食いながら昨日のこと聞いてやるかって思ってたのに、ランチ？2人で？




阿「早く食べなよ、麺伸びるよ」


『ん、』




唯「あれ？今日は男子だけ？Aは？」



通りがかった唯が声をかけてくる



『…渡辺さんとランチ』


唯「まじ！？」



阿「佐久間ずっと入り口見張ってるけど、来ないんだよねぇー？」


『外行ったんかな、、わざわざ？はぁ？』


阿「ランチ行ってるだけじゃん、そんな気にしなくても」


『絶対渡辺さんもAのこと好きだし、、』


唯「え！渡辺さんが？なんでなんで？」


『佐久間の勘』







唯「…ねぇ、最終確認だけど、ほんとにいいのね？」


『なにが？』


唯「Aのこと！」


『だーかーらー、俺は今のポジションでいいの！』


唯「じゃあ！中途半端なことしてAのこと惑わせたりしたらぶっ叩くよ？」



『なんだよ、中途半端なことって』


阿「男見せるな、ってことでしょ？」


唯「そういうこと」


『え、俺が男見せたらA振り向くかもしれねぇの？』


唯「は？」



いや、顔こえーよ



『…冗談じゃん』



"友達"として徹したらいいんだろ


んなこと分かってるよ




オフィスに入るとAがもう戻っていた



ずるいって顔してるのは分かるくせに肝心なことには気付かないA


別に蕎麦が食いたかったわけじゃねぇわ



鋭いのか鈍いのかどっちかにしろっつーの






でも、こうやって笑い合えてるからもういい



幸せなAを傍で見守れるならそれでいい






俺は、俺たちはこういう関係が一番なのかもな

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