マーガレットを君に１

＃４(S) ページ4

S side

ある日の仕事終わりに唯と居酒屋で集合した



唯「Aとはどう？」


『どうもこうもないけど…』


唯「いつも通りの佐久間でいいじゃん！なんなの」





―――大学時代


いつも漫画を買いにいってた本屋の店員さんに一目惚れした



声をかける勇気もなかった俺はただ漫画を買いにいくときだけ彼女を遠くから見てる





でもある時から見かけなくなってしまった



もしかしたら辞めちゃったのか、、



この近くに住んでるなら、と駅やショッピングモールでも探してみたけど見かけることはなかった








入社式の日、唯が紹介してくれた彼女は紛れもなくあの本屋の女の子



驚きと緊張で全く話せない



石原Aちゃんっていうんだ、、



彼女が立ち去ったあと唯に背中を叩かれる


唯「ちょっと！なに？全然喋らないじゃん！」


今まで遠くから見てるだけでもう会えないと思っていた子が突然目の前に現れて喋れって言う方がむずいだろ



『本屋で一目惚れしたって言ってた子いたっしょ？』


唯「え、もしかして」


『そう、あの子、』―――






『最初の頃に比べたら話すこと増えたけどやっぱ緊張すんだよねぇ』



まぁ話すっていっても仕事のことばっかりだけど



唯「こんな再会の仕方ないよ！？運命だよ！？」






唯「Aに好きな人とか彼氏とか出来てもいいわけ？」


『別に、いい』



今まで見てるだけだった子が隣のデスクにいるだけで幸せだっつーの



唯「はぁ、情けな」


『告白なんかしてフラれた方が気まずくなるだろ』


唯「とりあえずさ、友達みたいに話せるようになりなよ」



それが出来たら苦労しねぇんだよな



阿部ちゃんとは気さくに話してるけど俺とはちょっと壁があるように感じる


まぁ、俺がこんなんだからか、、

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