マーガレットを君に１

＃３１ ページ31

会社では案外割り切れて関わることができている



"無理に笑うことも、避けることもしない"



翔太くんもそんな私に合わせるように接してくれてるように感じる


でも、家に帰って一人になると涙は出てくるし、夜もなかなか寝付けないのが現実






『ランチ中にごめん、報告することがあって、』


阿「なに？どうしたの？」



阿部くんに別れたことを伝えた



阿「そうだったんだ、そっか、いや、すごいよ、Aちゃん」


『え？』


阿「Aちゃんいつも通りだったから分かんなかった、」



阿部くんの隣でうどんをちゅるちゅるしてる佐久間を見る



『佐久間のおかげだよ』


阿「え？佐久間？」


佐「え？俺？」


阿「いや、自覚ないの？」



普通でいい、私のままでいい、と言ってくれた佐久間のおかげで、仕事では余計なことを考えなくて済んでいる





もう一人、報告するべき人物



唯「もしもし？」


『唯、今、大丈夫？』



ここ最近、唯は忙しくて社内でも全然会えない



唯「大丈夫だよ、久しぶり」


『ほんと、久しぶりだね、毎日遅くまでお疲れ様』


唯「はぁ、Aに会いたいよぉ」


『唯の仕事が落ち着いたらご飯行こうね？』


唯「うん、絶対ね！」




『あのさ、』


唯「うん？」


『私、翔太くんと、別れた』


唯「え！？」


『…振られたんだよね』





唯「…Aは、それ納得できたの？」


『なっ、とく？』


唯「渡辺さんになんて言われたのか分からないけど、納得して別れたの？」


『納得なんか出来ないよ…』


唯「そこ、はっきりさせなくて、いいの？」


『はっきりさせたところで、翔太くんが私と別れたかったことに変わりないから、』


唯「A、」


『でも、やっぱり思い出すと辛い、忘れたいのに忘れられない』


唯「…忘れなくていいんじゃない？」


『え、』


唯「気持ちも思い出も、Aの大切なものに変わりはないんだから、無理に忘れなくていいんだよ」



そっか、この気持ちも思い出も抱えたままでいいんだ、、


それが今の私だもんね、、








そしてもう一つ



ここ最近、嫌がらせが無くなったのか気付かないレベルなのか定かではないけど、気にならなくなった



唯と阿部くんには、これ以上心配をかけたくなくて結局このことは言えてないまま

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