マーガレットを君に１

＃３８ ページ38

佐「ね？だからそんな俺からしたら今夢のような時間なわけ」


そんな前から、想ってくれてたなんて、


佐「言っとくけど、今の聞いて変な同情とか、まじでいいから」



一周が終わりドアが開けられた




佐久間といると自然と笑顔になれる


嫌なこと全部忘れて純粋に楽しめる


飾らないありのままの自分でいれる




佐「っし、帰るか！」



まだ、もう少し一緒にいたい


歩くのが遅くなった私に気付いた佐久間が振り返る



佐「どした？」


『…ううん！今日めっちゃ楽しかった！』


佐「俺も！めっちゃ楽しかった！」




『じゃあ、お願いします』


シートベルトを着けるけど中々動かない車




佐「A、まだ時間ある？」


『ある、けど、どうしたの？』


佐「ちょっと寄り道してこーぜ」




連れてきてくれたのは、夜景が見える有名なスポット



『うわぁ、きれー！』


柵に手をかけキラキラ光る町を見下ろす


『あの光ってるとこに全部人がいるってことだよね、すごくない！？』





横にいる佐久間は、私のことを見ていた


その顔があまりにも優しくて胸がキュッとなる



『っ、』


佐「んふ、連れてきてよかった」



あぁ、佐久間はいつもこんな風に見てくれてたんだ


私のそばにいてくれてたんだ





前を向いた佐久間の腕を掴む



佐「…A？」


『…佐久間、すき、だよ』


佐「…」



え、なんでそこで沈黙なの



佐「顔、みて言ってよ」


『えっ、』



私の言葉を待つように目をまっすぐ見てくる



『佐久間』


佐「ん」


『佐久間のことが、す』



言い切る前にガバッと抱きしめられる



『最後まで言ってないのに、』


佐「我慢できなかった」



身体に回った腕に力が込められる



佐「まじ？」


『まじ、』


佐「…超うれしい」


『遅くなって、ごめん』


佐「ううん、そんなの全然いい」





佐「俺と付き合ってください」


『っ、はい』


佐「はぁ、やばい、すげぇ嬉しい」





身体が解放され得意気な顔をした佐久間が目の前にいた


佐「言ったっしょ？好きにさせるって」


『…なんか、悔しい』


佐「うははっ、俺の勝ち〜？」


『はいはい、佐久間の、んっ』



気付けば唇が重なっていた




名残惜しそうに離れていく佐久間の首に腕を回し唇を重ねた


唇を離すとゆっくりと開いていく佐久間の瞼



佐「やばいじゃん、」


『佐久間が先にしてきたじゃん、』




佐「A、すき、だいすき」

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