マーガレットを君に１

＃４５ ページ45

佐「…今日、泊まってく、？」


『え、あ、泊まれる準備してない、』


佐「そんなの、買いに行こ…」


『…うん、』



買い物を済ませて2人で並んで歩く帰り道


『ねぇ、ほんとに良かったの？コンビニ飯で』


佐「え、いいけど、なんで？」


『佐久間が食べたいって言ってくれるなら、頑張るよ、料理』


繋いでいた手がぎゅっと強く握られる


佐「頑張らなくていいんだってば」


『佐久間のためなら、頑張りたいって思うの』


佐「俺のために頑張りたいの？」


『…うん、だめ？』


佐「はぁ、もう、ダメなわけないじゃん、めちゃくちゃ嬉しい」


口を手で覆い照れ隠ししてる佐久間を見ると、愛おしいという感情が溢れてくる



『あ、佐久間、肉じゃが好きだよね？』


佐「え？なんで？」


『前めっちゃ持って帰ったじゃん』


佐「…あー、あれはねー、渡辺さんより先にAの手作り食べて、優越感に浸りたかった」


『…なにそれ笑』


佐「でも結局さ、渡辺さんのために練習した肉じゃがじゃん、ってなって虚しかったけど笑

あ、味はめっちゃ美味かったよ？」


すごく申し訳なくなり、言葉が出てこない


佐「…今度は俺のために作ってくれるんだよね？」


『っ、うん！』


佐「それは絶対食べたい」


『練習しとく』


佐「一緒にしよ」


『え？練習を？』


佐「うん、一緒にしたら楽しいじゃん」


『ふふ、そうだね』


佐久間の考え方は独特だけど、それが私を明るい方へ、温かい気持ちへと導いてくれてるんだなと思う



ご飯も食べて、お風呂も入らせてもらって、今は佐久間のおすすめのアニメを一緒に観ている


絶対Aこれハマると思うんだよね、と再生してくれたアニメが面白くて連続で観てしまった


『めっちゃ面白い、えー続き気になる…』


佐「来週放送だからまた一緒に観よ」


『うん！』


佐「じゃあ、ベッドいく？」


『うん、行くー』


佐久間のことだから布団に入ってからのお喋りタイム長そうだなぁ


まぁ、それも楽しいんだろうけど



『さっきの、っん』


佐久間の唇で塞がれ喋れなくなる


ベッドにゆっくりと倒される間も唇は繋がったままでどんどん深さを増していく


『…まってまってまって！』


佐「、なに？」


『さっきのアニメの話するんじゃないの？』


佐「え？…俺今それより、Aとの時間楽しみたいんだけど」



『…佐久間ってこういうの、興味ないのかと思ってた』


佐「は！？そんな男いないだろ」

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